はじめに
扉や窓の修理、リフォームについて調べていると、**「日本サッシ協会(JSMA)」**という名前を目にすることがあるかもしれません。
「ただの業界団体でしょ?」と思われるかもしれませんが、実は私たちが普段使っているドアや窓の**「安全性」や「品質基準」を決めている非常に重要な組織**です。
このページでは、日本サッシ協会とはどのような団体なのか、そしてなぜ、扉修理業者を選ぶ際に**「この協会の基準を理解していること」**が重要なのかを、専門家の視点で解説します。
1. 日本サッシ協会(JSMA)とは?
**一般社団法人 日本サッシ協会(Japan Sash Manufacturers Association)**は、日本の窓(サッシ)・ドア・シャッターなどの建具メーカーが加盟する業界団体です。
簡単に言えば、**「日本の窓とドアのルールを作っている総本山」**と言えます。
LIXIL(リクシル)、YKK AP、三協立山といった、皆さんがよく知る大手建材メーカーのほとんどが加盟しており、日本の住宅やビルの開口部(窓・ドア)の品質向上に取り組んでいます。
主な活動内容
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JIS規格(日本産業規格)の原案作成: サッシやドアの強度、耐久性などの国家基準を作っています。
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性能表示の普及: 断熱性、遮音性、耐風圧性などの性能を分かりやすく伝える仕組みを作っています。
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施工技術の標準化: 安全で長持ちする取り付け方や、メンテナンス方法の指針を定めています。
2. 修理における「JSMA基準」の重要性
なぜ、私たちのような「扉修理のプロ」が、この協会の動向や基準を重視しているのでしょうか? それには大きく3つの理由があります。
① 「建物の歪み」に対応するための基準がある
ドアや窓は、ただ穴に取り付ければ良いわけではありません。地震の多い日本では、建物自体がわずかに動くことを想定して、サッシ枠には「逃げ(クリアランス)」や「強度」が計算されています。 日本サッシ協会の基準を知らない業者が修理を行うと、無理やりネジを締め込んだり、必要な隙間を埋めてしまったりして、**「すぐにまた開かなくなる」**というトラブルが発生します。
② 防犯性能(CP部品)との連携
日本サッシ協会は、警察庁などが進める「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」の開発・普及にも深く関わっています。 泥棒に狙われにくい窓やドアの構造、ガラスの強度などは、この協会の技術基準がベースになっています。 つまり、この基準を知っている業者=**「最新の防犯対策ができる業者」**と言えるのです。
③ 省エネ・断熱の正しい知識
玄関ドアの交換や内窓(二重窓)の設置は、国の補助金対象になることが多いですが、これには「日本サッシ協会が定める断熱等級」などが関わってきます。 正しい知識がないと、本来受けられるはずのメリットをお客様に提供できない可能性があります。
3. 業者選びのポイント:「サッシの構造」を理解しているか?
扉修理や鍵交換を依頼する際、多くの業者は「鍵(錠前)」のことしか知りません。 しかし、ドアの不調の多くは、鍵ではなく**「サッシ(枠・蝶番・クローザー)」**に原因があります。
危険な業者の例
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ドアが枠に当たっているのに、鍵穴だけを削って合わせようとする。
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メーカー(JSMA加盟社)が指定していない汎用部品を、無理やり加工して取り付ける。
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「ドアクローザー」の速度調整における安全基準を知らない。
これらはすべて、日本サッシ協会が定める**「製品本来の性能」を無視した修理**です。
4. 当店の取り組み
私たち「カギの修理屋さん」は、鍵の専門家であると同時に、扉(サッシ)の構造を熟知したエンジニアでもあります。
修理にあたっては、日本サッシ協会(JSMA)や各メーカーが定める施工マニュアル・技術標準を尊重し、以下のことをお約束します。
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根本解決: 鍵穴だけでなく、扉全体のバランス(建て付け)を協会の推奨値に合わせて調整します。
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純正仕様の尊重: 可能な限りメーカー純正部品、または同等の性能を持つ認定部品を使用します。
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安全第一: 指挟み事故などを防ぐため、ドアクローザーの閉鎖速度などを適正な基準値に設定します。
LIXIL、YKK AP、三協アルミなど、主要メーカーのサッシ・ドア修理は安心してお任せください。
執筆者: 藤田


